'09/6/3 ZEPP大阪

エレカシ、ああエレカシ。最高だ!!! 

去年のはじめぐらいから、ステージを見るたびにエレカシが「上って」いくように感じる。毎回が、最長不倒越えである。ということはつまり、常に今ここがど真ん中で、最高だ。

生涯で見た最高のコンサートだ。

始まりが「こうして部屋で」。重く重く、抑えて抑えて。こんな始まり方、これまでにあっただろうか。悲しみの果て、新しい季節、と曲を重ねるごとに、宮本の声質が変わっていくようだ。徐々に深みを増し、輝きを増し、エネルギーの塊りに変わっていく。「今はここが」の瞬発力!

おかみさん、BLUE DAYS、間抜けなジョニー、さよならパーティー。なんだこれ。最高だ。

もう何とも書けないな。

絆や桜や笑顔といった、聞きなれたシングル曲たちに限って、予想外に、イメージとして8倍くらいの熱量が襲ってくる。そういうことだったのかと度胆を抜かれ続けたが、どういうことだったのか今となっては書くことができない。

ネバー、ハナウタ、新ジョニー、あの風、to you。新しいエレカシの歌たち。作り続けて200曲を超え、さらに生まれた楽曲たち。思い返せば、すべてを抱きしめたくなる。抱きしめたまま、ひとつとなって溶けてなくなってしまいたくなる。これは、愛だ。これを愛と呼ぶとしよう。僕はエレカシエレカシの歌たちを愛している。これからもよろしくなってとこだ。

暑中見舞い、きみもだ。縦乗りしているあなたたちもだ。

第一部終わりがSky is Blue。宮本が、スライドギターもしくはブリージャーを、弾きながら歌っている。身もだえしている眼をむいているがなっている叫んでいる。なんでこんなにかっこいいのか。後ろから薄黄色のライトがあたり、宮本の顔と全身が影で真っ黒になったとき確信した。この人を、僕は愛している。

そでに引っ込んだメンバーを見て、あまりのあっけなさにハッと時計を見ると、すでに1時間40分が経っていた。どんなに長く見積もっても45分は経っていないだろうという感じだったのにだ。このコンサートに限って、時間はちがうやり方で刻まれているようだ。

「時のたつのも忘れて」という俗っぽい言い回しに、果たして実感が伴ったとき、この言葉が紋切り型として成立していることの意味を思って涙が出た。こう書きながらもボロボロ出てくる。このZEPP大阪の、こういった感動を人々が積み重ねてきたという証が、この言葉だった。こころの震えが、幾世代にもわたって縦に伝播し、ZEPP大阪までたどり着いた。紋切り型の偉大さっていうのはそういうことだ。僕は感極まってキーボードをたたいている。

アンコール1回目、今宵、風に吹かれて。蔦谷バージョンではなくアルバムバージョン。今思えば、あのギターイントロは、風だ。自分史上最高の風に吹かれて。

It's my life。テンポが抜群。会場のノリがすごい。ノリが歌声を煽り、歌声がリズムを際立たせ、リズムがノリを生み、以下はじめに戻る。ZEPP大阪最高だ。さらにハロー人生が火をともす。最高だ。

俺たちの明日なんて何回聞いてきたことよ。しかしまたも予想外に、圧倒される。そのまま宮本が去っていく。

2回目のアンコールがあることを僕は疑わなかった。僕の頭の中には、ファイティングマンで終わるイメージしかなかったから。ここZEPPで昔、客電がついて客が帰り始めた中、拍手が続くと、宮本は突然出てきてファイティングマンをやった。ガストロンジャーの頃だ。ここはなにかそういう場所なのだ。今思えば俺明日で終わっててもおかしくなかった。不思議なもんだ。

果たして2回目のアンコール始まる。ソーメニー、フライヤー(これもテンポが抜群)と続いたあと、やはり! ファイティングマン。自分史上最強のファイティングマン。JCBホール渋公のテレビ放映、武道館、そして今日。どれも最高だと思ったのに、次には上ってる。20年前の「1曲目」がパワーアップし続けるってすごくないか。サビの最後のritで搾り出される声は、奇跡的じゃないか。

終わった。「また会おう」と言って、マイクを床に置いて、両手で投げキッスらしき仕草をして・・ といつもの流れを予想ていたら、マイクを持ったまま、コードをピンピンに引っ張ってそでまでゆっくり歩いている。なにやらスタッフと話している。戻ってきてせいちゃんに何か伝えると、見る間にせいちゃんの表情が変わり、姿勢をただし、両肩に適度な緊張をもたせている。

そして、ベースのあの、1オクターブの跳躍。乾いたドラムの音。歌声の爆発。待つ男。やってくれた。ダダドゥダダドゥダ!

エレカシ、最高だ。もう一回、最高だ。エレカシを聞いているとき、僕は生きている。