2014-01-01から1年間の記事一覧

俺は焼肉の帰り道

結婚記念日に焼肉で散財する。雨の中マンションの前まで帰ると、石畳の上に誰かの足跡が彼方此方と濡れている。自分の足を重ね、その人が辿ったであろう順番を探って歩いた。 小さな歩幅である。右へ行きまた左に戻る。次は前、また右へ行ったかと思えば踵を…

1030 ZEPP NANBA 〜 完璧な説得力

明日10時からの打合せの資料が全く出来ておらず、他にも気に掛かる仕事を終えられないまま18時に職場を辞した。相変わらずのダメさ加減にホトホト嫌気がさしながら、果たしてこの状態でコンサートが楽しめるものかと危惧しながらZEPPに向かったが、杞憂だっ…

面影、不在の存在感

エレカシのベスト盤に「浪漫記」というのがある。アルバム3枚分からの選曲なのでお得感はそんなにないが、ポニーキャニオン時代の定番が詰まっているのと、何と言ってもアルバム未収録の「君の面影だけ」が入っているのがよい。 エレカシ自選作品集 PONY CAN…

自慢のプレイリスト

初めてエレカシに触れた人が戸惑うのは、200曲という膨大な発表曲の数ではないか。どのアルバムから聴いたらいいのか分からないという時、なにかテーマに沿った選曲があればその曲の入ったアルバムを聴いてみようと思ってもらえるだろう。ということで、過去…

月を見ていた

ここ数日、深夜ベランダで煙草を吸っている時はずっと月を見ていた。何か普段と違う、妙な存在感で目の中に飛び込んで来ると思ったら、「スーパームーン」といって直径がいつもより大きくなっているのだった。 そう知ってから改めて見ると、確かに大きく、近…

ファンサイトにあるまじき

このブログにカウンターは設置していないが、アクセス数は記録している。先日それを眺めたら、3年ほど前と比べてざっくり3倍となっていた。 ここを繰り返し訪れてくれる方も増えたのだろうが、記事の内容からしてそちらは極少数に決まっている。ということは…

恋心と色褪せない名曲

恋をすると世界はぐるっと一回りしてその姿を変え、この私を中心として再編成される。 何もかもが線香花火のように、ごく儚くしかし光を散らして激しく輝いて見えるようになる。 生きて死ぬという実感。その途中でのこの上ない喜びと同時に、悲しみの予感。 …

すなわち俺だ

8月初頭からこの方、無性に聴きたくなってコールアンドレスポンスを聴いていたら、「エレカシブログ俺の道」さんが、当時の思い出深い"宮本檄文"を記事にして下すっていて、なんと言うかこの絆感、この運命感、この同時性にいたく感動していたのだった。 →サ…

エレカシは錨

2014年、この20年間続いてきた、物事が漂流を始めた感じは、日増しに強まっている。 クリミア、ガザ、中国の膨張傾向、集団的自衛権、政治社会の一貫した保守化、いよいよ容易に扇動されやすくなった大衆… 極めつけがあの朝日新聞の慰安婦関連の検証記事だ。…

エセ平和が大好き

この間、滋賀の片田舎での打合せを終えて午後5時、遅めの昼食を取りにロッテリアに入ると、いろんな人がいた。スマホをいじる人、ノートPCを懸命に叩く人、電話で発注仕様を確認する人、文庫本を読む人。 その光景を眺めていると、不意に目の前は今現在のガ…

エレカシを生きる、という人生

エレカシの楽曲群は、一人の人間のドキュメンタリーとなっている。そこには様々なタイプの「型」があるので、我々鑑賞者は、自分の人生のある断面において「これってあの時期のエレカシが歌ってたあの感じ」というように参照することができる。 僕の場合は最…

断じて、音楽は素晴らしい

今テレビを見ていて、とても素敵なことがあった。それをうまく書き表せるか、やってみようと思う。 帰宅して居間に入ると、妻がテレビを見て大笑いしていた。それは探偵ナイトスクープで、「ドリカムの歌を聴くと号泣してしまう男性が、結婚記念日に奥さんに…

存在と時間

折に触れて、この歌に帰ってくる。結局のところ一番聴いているアルバムはDead or Aliveで、なかでもこの歌なのかも知れない。 全ての楽器の編曲が、ちょっと加工されたようなボーカルの音が、メロディーも歌詞も歌声も、いつ聴いてもその都度一回性を持って…

サムライ達に贈る歌

「物分りのよいサポーターなどいらない、結果が出なけりゃ叩きまくることが、その後の当人やチームを成長させるのだから」という欧州的なスタンスには、確かに一理ある。 しかし、4年間これにかけてきたものがあって…と語り始めて次の言葉を失い号泣する若者…

遮るものなど何もない

皆さんはミュージックフェアを見たでしょうか。僕は涙ぐみながら、繰り返し見ています。 このブログでは、歌詞を取り上げて分析しその感想を書くというようなことを、初めのうち繰り返していたのだが、いつしかやめた。宮本に関する限り、歌唱と歌詞を切り離…

ワインディングロード

子供が3歳になった。近頃は、片言で話そうとするこの子を見るたび、その余りのカラッポさに驚愕し気が遠くなる。 この子が僕の年齢41歳になるまでに、どれほど大量の知識をこの小さな脳みそに放り込まなければならないのか。その上、もしこの子が48歳で、「…

あふれる熱い涙

さいたまスーパーアリーナの、最後のそのまた最後のシーン。待つ男を歌いきった宮本は、蔦谷氏から順にメンバー紹介を始め、最後のヒラマ氏まで紹介した瞬間、感極まって声を詰まらせ小さく嗚咽する。 この世で最も美しいシーンのひとつだと思う。 エレファ…

念願の完成

楽譜の置き場所を変えました→こちらとうとう楽譜を完成させた。 それなりの出来だと思いますので、ぜひ弾いてやってください。midiファイル、楽譜pdf →こちら 前半は「暫定版」のままのCD(シングル)バージョン。後半のピアノソロの直前から、さいたまスー…

風に吹かれている途中

4年前のものを発掘、再整理した。midiファイル、楽譜pdf →こちらmidiから自動で楽譜作成している関係上、微妙に変なところがあります。(左手の親指で弾くべき音が右手で弾くかのように書かれている、など) 一応、midiの音楽ファイルも公開。 GWで完成さ…

エレカシの文体

フラニーとゾーイの新訳を村上春樹が出したので、読んだ。その解説で、この小説の得も言われぬ魅力の根源が、「文体の妙」にあるのだと熱っぽく語られていた。フラニーとズーイ (新潮文庫)作者: サリンジャー,村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/0…

断言、宣言、願言

あの素晴らしい、さいたまスーパーアリーナのDVDを、まとめて見る時間がなかなか取れない。仕方がないので特定の部分をつまみ食いしていたら、結果として以下の3つを繰り返し見るようになった。 ココロをノックしてくれ。 風に吹かれて。 待つ男からの宮本の…

大思想、大思潮を超えてますよ

今宵の月のように、の発見に触発された。 いつか書くことになるだろうかと思っていたテーマを、酔いにまかせていっそ書いてしまう。 生と死について書いてきたからには、性についても書かなきゃならない。 10年ほど前、ジョルジュ・バタイユの「エロティシズ…

俺たちは走り続ける

もう二度と、戻らない日々を ーーー 毎日が、飛ぶように過ぎて行く。 行動が成功を呼び、それが次の行動を急き立てる。 麻薬のようなフィードバックループ。 気付けば脳みそから何からクタクタになり、感覚は摩耗してカサカサになり、一日が終わる。 明日が…

100分の1の波動

今日は同僚の壮行会だった。 3次会だか4次会だかでカラオケに行き、リクエストされるままに「今宵の月のように」を歌ったところ、大絶賛された。 声やうまさは当然ちがうが、なにか空気感のようなものが、エレカシみたいやん、とのこと。 お褒めの言葉に大袈…

アンチ菜根譚

うちの社長が中国の古典の「菜根譚」を愛読しているというので、どんな本かとWebで調べた。 訓話集であって、なるほどいい事書いてんな、と見ていたが、好事魔多し、勝って兜の緒を締めよ、的なことが言われている部分で、強い違和感を感じた。 よく聞く言葉…

勤行がもたらすもの

仕事が、ものすごい上昇気流に乗っている。 世論としては増税後の見通しや海外リスクが指摘されているところだが、うちの業界、コンサル業界が上昇しているということは、世の多くの業界にとってもそういうことなんだろうと思う。 その気流の中で、滑空しつ…

なぜ僕はこんなにも「やれてる」のか。

この年度末の忙しい時に限って、来年の新卒採用のためのエントリーシート150件を読んで一次審査するという、大役を仰せつかった。 キチンと読むと1件あたり10分はかかる。1500分、25時間。 果てしなき日々であったが、やり抜いた。そして、改めて僕にとって…

さいたまの空

今宵の月が。 お祭りの夕空に。